僕はまんちん

モラトリアム期間満喫中。大学三回生

As Time Goes By

私はとあるテーマパークにて清掃員兼お客様案内としてアルバイトをしている。もともと別の施設にてお客様案内のバイトをしていたが紆余曲折を経て辞め、今はテーマパークにて働いているのだ。

別にこのような施設で「笑顔と完璧なホスピタリティをもって人々に幸せを届けたい」などとは微塵も思っていない。単に仕事が楽そう且つ従業員の多さからシフトの融通が効きそう、友達が増えそうと言った利己的な理由から、学業の傍らこの様なバイトをしているのだ。本音を言えば作り笑顔など面倒なので終始真顔で働きたい。

今日の夕方、私が休憩室に入ると「お疲れさまです」と声をかけられた。声の発生源は座っている人、私の腰の右側当たりに座っている女性だ。(そんな際どい角度から挨拶をしてくるか…?)と疑問を持ったが「お疲れさまです」と返して煙草を吸いに喫煙所へ行こうとしたら「○○先輩ですよね!」とまさかの実名を呼ばれた。その時私はネームプレートをつけているわけでもなく、名前を知られる由も無し、第一このような顔の整っている女の子は記憶に無く、どこかネットで絡んだ輩か!?と少しパニックに陥る。

(…誰なんだこいつは!)

もしも過去に会っている人物の名前を忘れているとしたら失礼だ、微かな希望を込めて相手方のネームプレートをチラと見ると、M部という苗字が書いてあった。

その苗字は珍しく、私が人生でその苗字と出会ったのは過去に一度、中学時代の後輩だ。

普通中学時代には同じ部活でもないと後輩と関わる機会などはあまり無いが、M部は私の友人の妹の友達であり、友人宅主催BBQに招かれた客として同じ釜の飯を食べたこともある仲であった。
それにしても、約6年ぶりの再会である。どうにも女の子というものは変わるものだ…もともと顔の整っていた子であったが二十歳を迎えてここまでになるとは…

しばしの再会を喜び、今度ご飯に行こうなどと軽い口約束をしてその場を後にした。

いやー、本当に変わった。M部は昔と全然違う。全く気づかなかった。しかし私は気づかれていた。

あれ?


私は見た目に関して大した変化をしていないのであろうか、自分では髪型も体格も顔つきも変わり、随分大人びた気でいたが、彼女から見たらそうでもなかったらしい。いくら時が流れようとも私は私なのであろうか、なんだか嬉しいような、切ないような。そんな事を考えてこのタイトルをつけた。

このタイトルの曲は映画カサブランカにて使われている。いくら時が流れようとも色褪せる事ない名曲である。ぜひ時間があれば聞いていただきたい。
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